■モノには寿命がある

■家は、作るものである

では土壁は弱いのか、というとそうではありません。

土壁の素晴らしさは何度も再生できることです。しかもそのたびに強度を増すのです。再生せず、たとえ捨てることになっても、これは自然に返すということですから、環境への負荷はまったくありません。

新建材の家は処分が高額ですし、大量の産業廃棄物を出し、地球を汚すことになります。こんなことはそろそろ討ち留めにしたいものです。

土壁に「和」のイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか？　しかし実は、建材として世界中で利用され、その土地独自ののカラーを作り上げて来ました。写真は山共建設が手掛けたフランス料理店「ロリヴィエ」の天井。

壁土は高い？安い？

壁土は高いように思われがちです。しかし、地所にあるものをそのまま壁土に使えば、材料費はタダになります。実際、庭からいい土が出るなんてことは、稀ではありません。

施工費はパネルやクロスを貼るようなワケにはいきませんが、建物の解体時に何百万円も払いながら、決して自然に返らない産業廃棄物を作ることを差し引けば、オツリが来るというものです。そして、左官職人に仕事を与えることで、日本の技術を継承する一翼を担うことにもなるのです。

多くの人が、家は「買う」ものだと思っているようです。重要なのは坪単価がいくらかということ。後はフローリングの広いリビングがあり、週末には友人を招いてパーティが開ける……。

でもそれだけでは、ちょっと寂しくありませんか？　多くの人にとって家を建てることは一世一代の大仕事なはず。あなたも業者とともに「作り手」になってみませんか。
いえこれは、一緒にカナヅチを持つとか、コテで壁を塗りましょうという意味ではありません。素材や構造を理解し、納得のいく「我が家」を建ててほしいのです。

そこで「では、自然素材の健康ハウスを建てるゾ」と張り切ってみても、残念ながらパートナーたるべき業者に知識がないことは多々あります。

そして知識不足を「どれだけお金がかかるか分かりませんよ」を隠れみのにする場合もあります。

これから家を建てようとする人は、ぜひ勉強してください。

そのためにまず現場に立ち、自分の目で肌で感じることを、山共建設はオススメします。住むということは、その風土に身を置くということなのですから。

古くからそこに住む人を尋ねれば、何かアドバイスをもらえるかも知れません。気に入った物件があれば住み心地を聞いてみるのも参考になるでしょう。

そして自分が何を必要としているのか、何が出来るのかをか見極めるのです。

家を建てる主役はあなたです。業者と共に力を携え、最高の一件を建てる……家作りとはそういうものであるべきです。

土は加工が自由なのも特長です。土壁の最大の効果は調湿作用ですが、既存の壁に上から塗るだけでも、結露のない快適さを得ることがでまする。